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【HQ】こんな5人の同居生活

第1章 皆でわちゃわちゃクリスマス(2016.X'mas)


服を脱いで、風呂場へ。
シャワーを浴びている途中で、着替えを忘れた事を思い出したけど、体を濡らした後に気付いても遅い。
またタオルでも巻いて部屋に戻ればいい、と思っていた。

…んだけど。
風呂場から出たら、見慣れない赤い服が置いてあった。
首元とスカートの裾に白いファーが付いているワンピースだ。
セットのように置かれているのは、同じく白いファーが付いた赤い帽子。
イベントに疎かろうが、流石に分かる。
サンタコスプレを私にしろって事だ。

着る、着ないはともかくとして下着がない状態では、どうしようもない。

結局、タオルを巻いて廊下に出た。
置いていくと五月蝿いだろうから、一応サンタワンピースも持って。

そうしたら、いた。
誰が、って…皆が。
サンタコスで出てくるのを期待してたんだろうか。

私の格好を見て固まっている。

隠すべき所は隠れているから、気にせず通り過ぎて部屋の方へ進んだ。

「お前は少し恥じらいを持てぇー!」

後ろから、黒尾さんの叫び声が聞こえる。
今更恥じらいを持つとか、私には無理な話だ。
無視をして部屋の中に入った。

下着をつけて、少し考える。

イベント事が好きだとか、騒ぎたいだけなら、大学の友人とかと飲みに行けばいい。
それでも、誰1人欠ける事なく家でクリスマスをやるのは、一緒に過ごしたいのは、この家の皆だって事だ。
それは、素直に嬉しくて。
ノりが悪い私が、この気持ちを伝える為に出来るのは…。
これを、着る事だろうな。

分かっていても着るのが嫌で、赤いワンピースを見ながら溜め息を吐く。

まぁ、これを着てたら渡しやすくもなる…か。

チラりと見たベッド。
その下に、隠すように置いてあるラッピングされた4つの箱。

通り過ぎてしまった皆の誕生日に、それぞれ渡そうとしていたものだ。
その時は、食事のリクエストを聞くだけで終わってしまって、私の部屋で埃を被ろうとしているプレゼントを渡せるなら…。

そんな理由付けをして、ワンピースの袖に腕を通した。
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