第1章 皆でわちゃわちゃクリスマス(2016.X'mas)
‐赤葦side‐
りらが、こういうミスをするタイプだって分かっていた。
悪戯だとか慣れていないし、慌ててやろうとするから失敗する。
そんな、案外抜けている所も好きだよ。
そんな事を口に出せば、あの2人の的になる事は分かっているから言わない。
今は、やりたい事があるから、捕まっている場合じゃないしね。
席を立って、部屋に隠していた物を取りに行く。
りらが着るとは思えないものだけど、君の事だから着替えなんか忘れて風呂に入っているよね。
部屋から風呂場の方へ。
脱衣場になっている場所に、思った通り着替えはない。
持ってきたものを置いて静かにそこから出る。
「何してるんですか?」
「赤葦、コソコソ動いてもりら関係はバレてるからな。」
「俺等だってバカじゃねーぞ?」
皆さんお揃いで、勝手に動いていた俺を問い詰めにかかっている。
こんな場所で話していたら、りらが出てきた時に気付かれるって分かってない。
取り合えず、リビングに戻ろうと声を掛けようとした時、浴室の扉が開く音が聞こえた。
今から動いたら、足音に気付かれる。
ここで待っていても怒られるのは予想出来たけど、何も出来ずに息を潜めた。