第1章 皆でわちゃわちゃクリスマス(2016.X'mas)
予定通り、炭酸が吹き出したのは良い。
ただ問題は、気付かれた事で慌てたようで、飲み口を黒尾さんに向けていなかった事。
大部分が、私目掛けて吹いてくれた。
「…わーっ!りらちゃん!大丈夫か?」
大慌てするのは、勿論木兎さん。
濡れた部分を拭いてくれるのは良いんだけど、それ、テーブル用の布巾ですから。
それで拭くなら、汚れたテーブルの方にしてくれ。
私を拭くな。
しかも、胸とか際どい所を触りそうになっている。
相手は木兎さんだから、わざとじゃないだろうけど。
「…りら、これ使って。」
木兎さんを私から引き剥がし、綺麗なタオルを渡してくれたのは赤葦さん。
あれ、この役目はいつもなら黒尾さんだろ。
不思議に思って、周りを見回す。
自爆した私を、バカにしたような顔で見ている月島くんと、大爆笑している黒尾さんがいた。
「…私、シャワー浴びてきます。」
心配すらしてくれない2人にイラっとはした。
だけど、人に悪戯らしい事をしようとして勝手に私が自滅しただけだ。
誰かを怒るのは違う。
皆から離れて、頭を冷やそうとリビングから出た。