第4章 皆でわちゃわちゃ彼(?)シャツ
あ、やっぱり。
…が、素直な感想。
これで月島くんの服を借りて済ませてくれるなら、最初から張り合う訳がない。
「人の着てた服を着たいとは思いません。月島くんは、洗濯済みを貸してくれるそうなので。」
正直に、月島くんから借りたい理由を告げる。
これで、引いてくれるとは思えないけど、また月島くんに惚れてるだの何だのの話になったら面倒だ。
「あぁ、そういうのは気にするんだな。」
納得した声を出して、服を着た黒尾さん。
同じように木兎さんや赤葦さんも服を着た。
意外にも、あっさりすぎて拍子抜けした。
「じゃあ、部屋から取ってくるよ。」
諦めてくれたのだと安心したのも束の間。
月島くん以外は揃ってリビングから出ていってしまった。
持ってこさせたら、今度は本格的に誰のか選べって話になるに決まっている。
「月島くん、服貸して。」
「…は?」
要は戻ってきた時に、すでに上に何か着ていれば良いのだ。
背に腹は代えられず、残っていた月島くんの服を脱がせようと裾を掴んだ。
「…誰かが着たの、嫌だって言ったばっかりで何してるの。僕の、選んだら良いだけデショ。」
その手はすぐに払われて、月島くんまでリビングから出ていった。