第4章 皆でわちゃわちゃ彼(?)シャツ
木兎さんも、さっきの2人と同じように何度か私達を見て。
ズカズカと大きな足音を立てて、こちらに来た。
近くまで来ると、今度は私だけを見ている。
いや、私というよりは私の胸元だ。
しかも、チラ見どころかガン見。
「…木兎さん。」
それを止めたのは、低い声を出した赤葦さん。
木兎さんの耳を引っ張って私から離す。
「イテっ!何すんだよ!こんな格好してたら見るもんだろ!お前等だって見ただろ?」
「…まぁ。」
「見たんじゃねぇよ。見えた、だ。」
「どっちでも、見たもんは見た、じゃね?」
そんな事をよく堂々と言えたものだ。
というか、他の2人もちゃっかり見てたんだな。
「…つか、何でお前等はハダカなんだよ?」
言い合いを始めた事で私からは気が逸れただろうと、その輪から外れようとしたけど。
この一言で出来なくなった。
2人が脱いでいた理由が、私に服を着せようとしていたから、だ。
「そうだ、りら。早くコレ着ろ!」
「いや、こっち着て。」
やっぱり、目的を思い出されてしまった。
黒尾さんと赤葦さん、2人から服を差し出されている。
木兎さんも、少ししてから意味が分かったようで脱ぎやがった。
「いや!ココは俺んだろ!ほら、脱ぎたてほやほや!」
どや顔で、まだ生暖かい服を押し付けてくる。
その、脱ぎたてが嫌なんだと何故理解出来ないんだ、この人達は。
相手をするのが面倒になって、諦めて誰かを選んだ方が良いんじゃないか、と思い始めた。