• テキストサイズ

【HQ】こんな5人の同居生活

第1章 皆でわちゃわちゃクリスマス(2016.X'mas)


まず、渡されたものはシャンパン。
どうやら私に開けろ、という事のようだ。

蓋の部分を手で掴み、そのまま引き抜こうとした。
すぐに黒尾さんに手を掴まれて止められる。

「おいおいおい!ソコは飛ばせよ。」

確かに、蓋を飛ばして開けるのはシャンパンの醍醐味である。
だけど、部屋の中でやって、何か壊したらどうするんだ。
何もない所に向けても、跳ね返って当たる可能性がある以上はやりたくない。

助けを求めて、ノり気じゃなさそうな2人に目を向ける。

月島くんが、チラっと何かを見た。
それと同じ方向を、赤葦さんが指差してる。

その、示された場所は私の真隣に座る、黒尾さんだった。

まさか、人に向けろとか言わないよな。

「やっても良いと思うよ。」
「僕も賛成。」

にこやかに言う2人は、寧ろやれ、と強制している気がする。
その視線が自分に向いている事に気付いて、黒尾さんが体を引いた。

「りらちゃん、早くしろよー!」

何も分かっていない呑気な木兎さんの催促。

流石に人を怪我させるのは嫌で、シャンパンのボトルをテーブルに置いた。

「私、シャンパンは得意じゃないので。」

立ち上がってキッチンの方に移動する。
冷蔵庫を開けて、中から取り出したのは炭酸が入っている缶のアルコール飲料。
皆から見えない場所で、それを思い切り振っておく。
期待されていたようだから、怪我しない程度に何かをしてやろうと思った。

「りら、珍しくね?お前が焼酎以外の飲むとか。」

危機を察知したのか、目敏く私の手の中にある物に気付いた黒尾さん。
無言のまま席に戻って、缶を開けた。
/ 42ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp