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【HQ】こんな5人の同居生活

第1章 皆でわちゃわちゃクリスマス(2016.X'mas)


イベント事には興味がない。
それは、皆も分かってくれている…と、思っていた。

バイトから帰ってきて、綺麗に飾り付けをされたリビングを見るまでは。

私の背丈くらいある、大きなツリー。
勿論、オーナメントがガッツリ付いてる。
誰が運んだんだ、こんなの。

壁一面には、モールやら、紙で作った輪を繋げた飾りが、ぶら下がっている。
こんな手間の掛かる事、誰がやったんだ。

片付けは、どうせ私だ。
面倒事を増やされて、溜め息が出た。

「いい若いモンが溜め息とか吐いてんじゃねぇよ。」

犯人の1人だろう黒尾さんが私の帰宅に気付いたようだ。
それに反応して、リビングで過ごしていた他の皆もこっちを見た。
全員が揃ってるなんて珍しいな。

「黒尾さん、と…木兎さんですね。こんな事をするのは。」

他の2人は、私と同じくイベント事を面倒だと思うタイプだ。
巻き添えをくらっただけだろう。

「おう!やっぱクリスマスはパーティーだろ!どーせなら、盛大にやりたいよな?」

そんな事に同意を求めて、頷くと思っている辺り、何も考えてない木兎さんらしい。

まぁ、確かにイベントの日くらい楽しみたい気持ちはあるだろう。
怒るのは可哀想だし、しょぼくれたら面倒だし。

私はノるつもりはないからスルーして、夕食の準備をする形で、リビングの惨状から目を逸らそうとした。

けど、それすらさせてくれなかった。

テーブルの上に、デンッと置かれているのはピザ。
しかも5枚。
他にも、フライドチキンやら、ローストビーフやら、所狭しと乗っている。

簡単な物なら作れるかも知れないけど、このメニューは買ってきたか、デリバリーだよね、コレ。
せめて、作らせてくれなかったものか。
お総菜とか、デリバリーは高いんだよ。
食費が嵩む。

現実的な事を考えて、固まっている内に木兎さんに腕を引かれて、椅子に強制着席する事になった。
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