第2章 皆でわちゃわちゃお正月(2017.正月)
‐木兎side‐
りらちゃんが1人で淋しいかなーって。
朝の挨拶と、雑煮食ってからソッコー戻ってきたってのにいねーし。
しかも、帰ってきたら黒尾も赤葦もいるときた。
玄関前の話し声ってケッコー聞こえんだぞ。
だから、オシオキでぎゅーってしてやる。
いつも通り、嫌がるだろうけど気にしねー…って…。
あれ?
りらちゃんの、腕が俺の背中に回ってるー?
「木兎さん、りらが潰れますから離れて下さい。」
赤葦にシャツの背中側が引っ張られる。
それでも、りらちゃんから抱き返されてっから離れらんないんだって。
「こら、りら。そういうことすっと木兎が調子に乗るからヤメロ。」
気付いた黒尾が、りらちゃんの腕を掴んで、やっと俺達は離れた。
「木兎さん、おかえりなさい。」
「お、おぅ!ただいま!」
あれ、逆じゃね?
家ん中にいたのは俺の方だぞ?
俺等のやり取りが意味不明だったのは、赤葦と黒尾もみたいで。
皆して目をぱちくりさせてる間にりらちゃんはリビングの方に歩いていく。
「皆さん、入らないんですか。お節、一応ありますよ。」
入る前にこっち振り返った顔は、ちょっと嬉しそうなのが分かって。
「おぅ!食う!ほら、黒尾も赤葦も行くぞ!」
勢いよく頷いて、その後を追っ掛けた。