第1章 皆でわちゃわちゃクリスマス(2016.X'mas)
私が皆に渡したのは、実際は遅れた誕生日プレゼント。
何か、クリスマスとして皆にお返しをしたい。
でも、品物は昨日渡しているから不審がられそうだ。
考えて出た答えは、私の得意な事で返す事。
そういえば、クリスマスといえば…の、アレを食べていない。
「木兎さん、ちょっと買い物行ってきますね。」
声を掛けて近くのコンビニへ。
時期が時期だから、既製品の物も売られていたけど、作りたい。
最近のコンビニには、生クリームくらいは置いてあるの、便利だな。
流石に粉は無かったから、ホットケーキミックスだけど。
いや、粉がちゃんとあっても、目分量で調理する私が作ったら大惨事の予感しかしない。
家に戻ると、皆は起きてきていて、リビングの飾りを片付け始めていた。
「明日にでも、私がやりますから、そのままで。今日まで、クリスマスですから。」
昨日がイブで、今日は本来なら本番の日。
だから、この綺麗に飾られたクリスマス仕様のリビングで、皆と過ごしたい。
片付けを止めたのが意外だったのか、皆して不思議そうにしていたけど、取り外すのは止めてくれたようだ。
雑談を始めたり、テレビを見たり、思い思いに過ごしだした皆を残してキッチンへ。
買ってきた材料で、作り始めるのは勿論ケーキ。
本物のケーキにはならないけど、多分食べてくれる。
何枚かの、同じくらいの大きさに焼いたホットケーキ。
間に生クリームと、缶詰のフルーツを挟んで重ねていく。
私の好き嫌いを理由に、クリームオンリーのケーキは流石に虚しいから。
出来上がった、表面はただ白いだけのケーキ…もどき。
それでも、皆は喜んで食べてくれた。
来年も、皆でやれるとしたら。
今度はちゃんとした、クリスマス用のプレゼントと、本格的なケーキを用意しようと思った。
Merry Christmas.
皆でわちゃわちゃクリスマス‐end.‐