第2章 後ろの正面だぁれ?
くのえside
ジューッ____
ハムと目玉焼きが焼ける音。
今日の朝食当番は私なのだ。
2人分の朝食を作り終えるとテーブルに並べる。
一緒に暮らしている大学生の 翠君が起きてきた。
「.....おはよう。 くーちゃん。昨日は遅くなってごめんね。食事当番、僕だったよね。ご飯どうしたの?」
「昨日はね、1人だったから、外食しちゃった。」
「え、1人で?何もなかった?この前の児童殺害の犯人も捕まってないみたいだし、気をつけてね。」
「…うん、そうだね。 翠君、早く行かないと電車乗り遅れちゃうよ?今日、早いんでしょう?」
「あぁ、忘れてた。これ食べたらもう出るよ。いただきます。」
食事を済ませた 翠君は家を出て行った。
私も学校に行かなくては。
急いで鞄を取りに部屋に戻る。
「じゃあ、私も行ってくるね。.......翠君の部屋と作業部屋に入っちゃダメだからね。」
「........うん。」
「行ってきます。」
「行ってらっしゃい.... 。」
家を出る。
鍵は...かけなくても大丈夫だろう。
そうして、私は学校に向けて歩き出した。