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境界線。【安室透夢小説】

第14章 *膝枕*



「安室さんって猫っ毛ですね。...サラサラしてて気持ちいい。」

そう言って くのえさんは俺の頭を撫でている。

そうだ。誘惑に負けたよ。何が悪い。
いつだったか、自分に正直になれと くのえさんが言ってくれたんだ。

「...楽しいですか?男の髪なんか撫でて。」

「楽しいですよ?普段撫でることなんてなかなかないので。....安室さんこそ、寝心地はどうですか?」

「...最高ですね(キリッ)」

「よかった。...安室さん、お仕事お疲れ様です。玄関で顔を見たとき、疲れてるなぁって思ったんですよね。だから、ゆっくり休んでください。」


くのえさんはまだ俺の頭をなで続けている。
人に頭をなでられるというのはいつぶりだろう。

.....幸せだなぁ。
こんなに幸せでいいんだろうか。

「...いいんですよ。安室さん、すごく頑張ってますから。」

「え?」

今、口に出てたか?

「なんとなんく、そんな顔をしてたから。2人の時は何も気にしなくていいんですよ?私しかいませんから。」


「...... くのえさんって、エスパーかなにかなのか?」

「そんなことないですよー。普通の高校生ですよ。」

「時々すごくドキリとするよ。」

「時々だけですか?」

「訂正。君の行動にはいつもドキドキさせられてる。」



「......ふふふ。話し方もそっちの方がなんか自然ですね。」

少しづつではあるけど、 くのえさんに本当の自分を見てもらってる気がする。

「 くのえさん。」

彼女の名前を呼び首元に腕を伸ばす。
俺が何を求めているかわかったのか彼女は小さく微笑むと目を閉じて顔を近づけた。

本当に、俺にはもったいないな。



2人の唇が触れ、また、ゆっくりと離れていく。











バサバサバサッ_________

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