八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第6章 ページ6、魔法帝
ケイト「っ…」
どうやら動かそうとすると、体が痛むようで
フエゴレオン「ほら」
今日だけはいいかと思いながら、スプーンを口に押し込んだ。
ケイト「んむ」もぐもぐ
その一連の動作は、とてもゆっくりとしたもので
飲み込むのまでも大層時間がかかっていた。
フエゴレオン「大丈夫か?」
そう背をさすると、弱々しく僅かに頷いた。
ケイト「兄…上」
フエゴレオン「?なんだ」
ケイト「服…ごめん、なさい」
フエゴレオン「気にするな。また買えばいい」
ケイト「大事に…して、たのに。
結局、ぼろ、ぼろにっ;」
フエゴレオン「泣くな。
買うのが嫌なら、それを繕えばいい話だ」
ケイト「でき、るの?」
フエゴレオン「できる。母上ならな。
私も手伝うから気にするな。
強くなるために、必要なことだったんだろう?」
ケイト「…うん」
フエゴレオン「なら、後悔するな。
今は強くなることを考えろ。
自分で決めて、行動に移したんだろう?」
ケイト「…はい!」
涙を滲ませながら、声を張り上げていた。
だが、やはり弱っているためか部屋に響くまでは至らなかった。
それでも…
私の胸にはしっかりと届いていて、その答えに笑いながら頷いた。
フエゴレオン「ならば、それでよし!!
食べろ」
ケイト「はい」
互いに微笑み合いながら、食べ終わるまで付き合った。