八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第6章 ページ6、魔法帝
そう感じてからすぐ、後ろへ振り返ると…
僅かに、ケイトが目を開けた所だった。
が、身体は動かぬようで
何とか頑張って動かそうとはしているが、ベッドから起き上がることもかなわなかった。
フエゴレオン「無理をするな」
ケイト「…」ぼー
その表情はまるで、意識がほとんどないようにも見え
何の応答もなく、心配になった。
ちょうどその時、使用人がご飯を持ってきたようで
ドアをノックする音が響いた。
扉を開けると、やはりそこにいたのは使用人で
料理を二人分持ってきていた。
使用人「ケイト様をずっと待っていて、食べていなかったので」
フエゴレオン「ああ、そう言えば私も食べていなかったな。
ありがとう」
使用人「いえ。任せてよいのですか?」
フエゴレオン「大丈夫だ。下がっていい。
ここは私に任せて、母上とレオの方を頼む」
使用人「はい。では失礼します」ぺこり
そう言って頭を下げ、ドアを閉められた。
その中でも、まるで心ここにあらずといった顔で
何の反応もなく、茫然自失しているようにも見えた。
フエゴレオン「晩飯だ。
食べないよりは、食べた方がいい」
そう言い、ケイトの横へひざまずいたが
視線は向けられたものの、あまり動けないようだった。
フエゴレオン「動かずともよい。
私が食べさせる」微笑
そう言って背に左腕を回し、少しだけ起き上がらせた。
それから右手に持ったスプーンで、口元へ粥を運ぶと
弱々しく口を開け、食べようとしていた。