八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第6章 ページ6、魔法帝
私の肩にケイトの頭を乗せ
両足を左腕で、上半身を右腕で抱き上げた。
いつもならはしゃいで、喜びまくるのだが…
その当時のような片鱗も見せず、力なくぐったりとしていた。
(その当時とは、1年ほど前。
ケイトが「本で見たお姫様抱っこというものをして欲しい」と私へ駄々をこね、実際にやってみた所…
ケイト「お姫様抱っこ~!^^
わーい!わーい!わーい!!><//」
フエゴレオン「こら、はしゃぐな!;倒れるだろう!;」
はしゃいで万歳を何回もし続けるケイトにより
あっちへふらふら、こっちへふらふらとしていた)
フエゴレオン「…大丈夫か?」
ケイト「…」
抱き上げた状態のまま
ケイトを少し揺さぶってみるが、全く目を開ける気配もなかった。
フエゴレオン「余程疲れているのだろう。休ませてやらねば」
使用人「あ、ご飯は私が運びます!」
フエゴレオン「頼む。着替えは私が済ませておく」
使用人「はい!」
どたどたと慌ただしく動き出す使用人を見送ってから
私はケイトの部屋へ移動し、まずはベッドに横たえることにした。
それから衣服の替えをタンスから取り出し、着替えさせ
ぼろぼろとなった衣服を畳むことにした。
ヴァーミリオン家の着る服装は決まっており
白いズボンに白いシャツ
その上に一族特有の黒地に金のラインが入った上着を着、上から腰紐で縛っている。
紐もひっくるめた衣服がほぼ全て、ぼろぼろに千切れており
服としての役割を、ほとんど果たしていなかった。
フエゴレオン「流石に買い替えねば使えんな、これは」
そう言いながら、ケイトが先ほどまで着ていた衣服を畳んでいると
僅かに、後ろで何かが動く気配がした。