八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第6章 ページ6、魔法帝
ケイト「『歳をとると体内で生成される魔力は衰えて行くが
自然に宿る魔(マナ)を練る力はいくつでも高められる。
テクニックなら年季はいっているから若いものにはまだまだ負けない』
って言ってた最強のシスターに鍛えてもらったのに!くそっ!」
悪態が長い。
その長々しい言葉に、一瞬私たちは呆気にとられた。
と同時に、冷静さを取り戻した。
魔法帝「ほお。師匠はシスターテレジアか。
でも
その身につけた格闘技術は、君独自のものだろう?」
ケイト「!何でそれを」
魔法帝「筋肉も魔も、よく鍛えられている。
いい魔と身体だ」にっこり
そう頭を撫でる魔法帝に
ケイトは未だに警戒を解けず、訝し気な眼を向けていた。
魔法帝「君にとって…
魔とはなんだい?」
視線を交え、上から見下ろしたまま魔法帝は尋ねてきた。
ケイト「魔(マナ)とは、人々に内在する
超人的なエネルギーで、魔道士達は魔を消費することで魔法を発動している。
自然に宿る魔もあり、それを練って魔法を発動することもできる」
魔法帝「そうだね」
ケイト「でも、私にとっては違う」
魔法帝「!
(周囲の魔が…ざわついている?」
風系統の魔導士は魔の感知に優れている。
が
それさえも関係がないほど濃密な、僅かな違和感を感じた。
ケイト「魔は…
生ある時も、死する時も、常に寄り添い、高める手助けをしてくれた!
私にとって、魔とは
命の恩人であり、大切な存在で、掛け替えのないものだ!」
魔法帝「魔が…喜んでいる?
こんな現象…今まで、見たこともない!
一体、どれほどの!!
どれほどの魔に好かれているというんだ!!?」
興奮気味に魔法帝が叫ぶ中
私は、ケイトが生み出す魔に吹き飛ばされないようにするので必死だった。
その現象は、あまりにも異常すぎた。
そこらじゅうにある魔が
まるで意思を持っているかのように自ら、我先にとケイトへ集まって「ケイトの魔」になろうとし
ケイトが放つ魔が
光輝く「凄まじく濃密な魔」へと変わっていく姿を見た。
それが生み出され続けていく現象により
あまりに連続的かつ濃質な変化によって
ケイトの周囲からは、まるでケイトを守ろうとするかのように「衝撃波」が生み出され続けていた。
それに吹き飛ばされそうになる中