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八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】

第5章 ページ5、喧嘩





きっと…

「お前がそれを「一人きりで」抱え込むのが、私はたまらなく嫌だったんだ」


それを私が言った時、ケイトが涙を滲ませたのは

ずっと……
そういう人が現れるのを

「自分と向かい合って、解ろうとしてくれる人」を待ち続けていたからなのだろう。


いつしか人そのものに絶望し
距離を取り、そうすることで戦ってきた。

理解者が現れないのなら
解ろうとしない人ばかりならいっそ、と



そうすることで
他の周囲よりも遥かに、「迷惑をかける道」を閉ざした。

迷惑をかけないことで
その分だけでも、周囲の「気の合う友と笑い合う時間」を少しでも増やし、守ろうという意図があった。


それを、周囲からどのような目に遭われされても

常に持ち続け、最後までその生き方を貫いた。



それでも、周囲はそれを汲み取ろうとしないばかりか

知ろうともせずに悪だと否定し、決めつけ、理解しようともしなかった。



ちゃんと話し合い、向かい合おうとする人でさえも…(ぎゅ!)

存在することなど、一人としてなかった!



一人拳を握り締める中…

その拳に、そっとケイトは手を上から重ねた。


おそらく…怒っていることが伝わったのだろう。



私に、「大丈夫だろうか?」という気に掛ける眼差しを向け

その拳の甲を、そっと優しく撫で続けていた。



フエゴレオン(一人で背を向け、話しかけられるのを待つしかなかった。

そんな日常の中、いやに笑い合う姿が目に付いた。
本人がいじめられている時でもなお、平然と無視して笑うその周囲の姿に…


自分が被さることは、死んでも赦せないと思ってしまったのだろう)


そう、私は考えをまとめた。

その直後、ケイトは頷いた。


おそらく、そういった考えがあったということを伝えたいのだろう。


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