八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第5章 ページ5、喧嘩
ずきんっ!
怯える顔を見て、心の中で深く痛みを憶える中
私は、思った。
冷静さをなくしていたのは…
余裕をなくしていたのは、自分の方だ。
それを解っていたから
冷静になれと、一度父上は引き止めた。
考えが浅はかで、足らなかった。
フエゴレオン「すまない」ぎゅうう
一番辛いのは…本人のはずなのに
自分が取り乱してしまった。
そう言いながら抱き締める中
私と目が合った瞬間、ケイトはうろたえたように
私へ向けて手を伸ばし、おろおろとし出した。
ケイト(泣いてる?兄上が!?
初めて見た!!;)たらたら
フエゴレオン「…本当に、すまない。
一番…苦しかったのは、お前なのに
整理もついていない時に、押し付けてしまった」
ケイト「兄上は悪くないよ!;(あわあわ)
だって、こっちは…
ただ…暴走しただけって感じだし」しょぼん
フエゴレオン「それぐらい苦しかったんだろう?
哀しい思いをしてきたことは知っている。
正直、知った気でいた。分かった気になっていた。
再び、それをやってきた人のことの話をして
その痛みが蘇っていることは、わかっていた。
だからこそ、今度は殺して欲しくない。
そう思った。
また…同じように、なって欲しくはなかった。
あの時のように
心を閉ざし、一人きりになれば…確かに多少は、降りかかる迷惑が減るかもしれない。
それでも…
私は、それがたまらなく嫌だった」
うまく言えているかもわからない。
それでも…伝えたかった。
そう思う人がいることも、大事に想うからこそだということも……