八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第5章 ページ5、喧嘩
その言葉を叫ぶ中、私の心が鈍く痛んだ。
ケイトへ言っていて、悲痛に、辛く感じた。
父上や母上、姉上たちは黙ったまま固まっていた。
それでも…伝えたかった。
お前を大切に想う人は、ここに居るのだと…
今はもう、昔とは違うのだと。
たとえそれで、嫌われても構わない。
ただ…
大切なものとして、そう在りたかった。
だが、返ってきたのは……
ケイト「解るわけ…ないだろ」
フエゴレオン「?」
胸ぐらを掴んだまま、目を真っ直ぐ見つめ続けていると
不意に目を逸らされ、呟かれた小さな声だった。
ケイト「実の親から殺されかけたこともないくせに!
研究所で殺されかけたことも!
生き返ると一人きりだったことも!!
誰一人として、助けようとする人さえもいなかったことも!!!」
そう叫びながら、ケイトは私の腕を突き放した。
ケイト「…っ」
それに目を向けてみると
息を深く吸いながら、哀しい音が聞こえた。
まるで…涙をのみ込もうとするかのような、そんな音が。
ケイト「全部…解らないくせに!!
同じ目に遭ったこともないくせに!何が解るって言うんだよ!!
勝手だよ…」
そう叫びながら、拳を握り締めるケイトに
手を伸ばすと、それを睨まれた。
ケイト「昔、小さい時に話したことあるんだ。
そしたらみんな、辛そうな顔するんだ!
だから話しちゃいけないんだ!!邪魔なだけなんだ!!!
それなのに…
何でそんなこと言うんだよ!!??」
その眼には、涙が滲んでいた。
とても深い哀しみと憤りが、そこにはあった。