八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第5章 ページ5、喧嘩
心配そうに尋ねる姉上に、ケイトは気丈に答えた。
ように見えたが…
やはり、内心は大荒れなのだろう。
本当は向き合いたくもないほど、ひどい目に遭い続けてきた。
だからこそ…余計に辛いはず。
こういう時…何といえばいいのか解らずにいた。
が…
フエゴレオン「…」ぎゅう
何か一つ、私からしてやれることを考えた時
頭をよぎったのは……
ケイトに心を閉ざされていたあの時
抱き締めると、驚きと安心が同時に訪れたような顔をされたことだった。
ケイト「…兄上?
何で、抱き締めて…?」
フエゴレオン「…辛いのなら、泣いていい」
ケイト「!!」
フエゴレオン「怒りでどうにかなりそうなら、遠慮せずに語ればいい。
お前は何かと、抱え込みがちだ。
家や外や研究所にて数々の憂き目に遭ったことも、詳細まではかたくなに話そうとしない。
今であってもだ!」
ケイト「…でも……
自分がそうしたら、誰かが辛い思いをするでしょう…?
そんなの、やっぱり……!」
フエゴレオン「っ…ふざけるな!!!」かっ!!
初めてだった。
これほど、全身の血が沸き立つのも
ケイトに対して、怒りが芽生えたことも……