八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第5章 ページ5、喧嘩
父上「父が8歳で死んでから、四つ葉の魔導書を授与されるまでの14歳までの5年半…
母と過ごした時間が、あまりに貧し過ぎたのだろう……
その長年の環境に伴って、「金があれば使いまくれるのに」という願望が強くなり過ぎたのかもしれない。
あやつは「恵外界出身の下民」という認識のまま、魔法騎士団に入団したわけだが…;
知っての通り、常に罪状を重ね続けるということでやめさせられることになった。
私の父上が寝込んだのは
あやつの「金の荒々しい使いっぷり」と、「罪を重ねることを何とも思わぬ心」にある。
血が繋がらぬとはいえ
如何なる愚行を繰り返したとて
あやつは、一時期とはいえ私と共に育った「弟」だ。
だからこそ、そなたを今も「姪」としてとらえている。
私の力不足で、すまぬことをした」ぺこり
ケイト「謝らないで下さい。
如何なる行動も、その責任は「行動をとった者」にあります。
止められなかったからと言って、それを責める気は毛頭としてありません。
あなた一人に、責任全てがあるわけではないのですから」
父上「いや…
長年、語るべきか語るまいか悩んでいた。
しかし、妻に諭されたのだ。
「知った上で受け止めるか
知らぬ上で受け止めるかでは、天と地ほどの差がある」と。
「今はもう…ケイトは一人ではない。
きっと、受け止められる」と」
そうポツリポツリとつぶやく父上に
私もきっと、知っていれば同じことを言ったであろうと、一人頷いた。