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八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】

第5章 ページ5、喧嘩





それから私たちは買い物を続けていた

わけなのだが…;



フエゴレオン「…なぜついてくる?」

ノゼル「ケイトと話をしたいだけなんだが?」淡々

フエゴレオン「すまないが、私の家には赤ん坊が居るので遠慮願いたい」


冷や汗交じりに拒絶することしか、私には出来なかった。



ケイト「別にいいよ。

ノゼルと戦うの楽しそうだし、もうちょっと一緒に居たい」

フエゴレオン「過去の傷口に塩を塗り込まれても一緒に居たいのか?」←要点

ケイト「負けなければいい話じゃん」きっぱり←結論


ノゼル「…っぷ」ふいっ

フエゴレオン「溜息)それはそうなんだが…;

ケイト…
自分に降りかかる理不尽に怒ることを、少しながらでも憶えた方がいいぞ?;」

ケイト「?よくわかんないけど解った。

知識として持っとく」


ノゼルが隣で笑いをこらえながら顔を逸らし

私がケイトへ溜息交じりに言い聞かせる中、一つだけ解った。


彼女は…

負けるぐらいなら死を選ぶ、極度の負けず嫌いだ。



というのも…

何かで負けた時、必死に勝つまでやり続けていたからだ。




幼少より、抵抗を許されず周囲が強要するまま理不尽な事ばかりされていたためか

来たばかりの頃は、その時の環境になじむための習慣が出ていた。


「自分だけが悪い」、「そういうことをされるために生まれてきたんだ」と思い込むことで人を傷付けず守ろうとし

必死に自分を感情ごと全て殺そうとし続けたり


8年にも渡る当時の実経験から
「自分を助けてくれる人などいるはずがない」と絶望し、心を閉ざし、諦めていた。



現時点においては遠慮が抜け
思ったことや感情や素などが全て、丸ごと前面に、自然と出るようになった。


守りたい存在ができ
温かさも知り、愛情も、一般常識まで理解し

私と最初に話し合った時から
「自分を犠牲にしてはならない」ということも理解した。



そして、今もなおケイトの世界は拡がりつつあり
過去に大切なものを全て失ったこともあってか

「今度こそ守り抜こう」と想うあまり、空回りばかりしていた。



周囲を大切に想うことは、それこそいいことなのだが

たまにはそれを自分に向けて欲しいと、切に願った。


わけなのだが…

今はまだ、目の前のことでいっぱいいっぱいで無理だと、私は静かに悟った。


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