八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第5章 ページ5、喧嘩
ケイト「だからどっちにしろ
無理やりにでも乗り越えなきゃいけないんだ(ぷるぷる)
大丈夫だよ…
今はもう、全然大丈夫だから!」ぐっ!!
そう、声まで震わせながら怯えているようにも見えた。
が
それからすぐ、元気づけるかのように左手で拳を力強く握った。
ケイト「兄上もいるし、みんなもいる。
だから……大丈夫!
今度こそ守り抜いてみせる!!そのために、修業しているんだから!」きっ
その姿勢は…
過去のトラウマを無理やり捻じ伏せ
今度こそ守り抜こうとする原動力に変えているように
今ある希望を守り抜こうと、必死に奮い立てているように見えた。
その想いも、心意気も
本気なのだということは、誰の目にも明らかなわけで…
ノゼル「…ふっ。
王族として、守り抜くことを選ぶか」微笑
ケイト「それがこの国で生き残った務めだと思っています!
トラウマにも、あなたにも負けません!!」きっぱり!
ノゼル「面白い。
先に魔法騎士団で待っているぞ」微笑
ケイト「はい!!」
そう真剣な表情で叫ぶケイトの成長を見て、私は喜ばしく感じた。
だが、その時なぜか…
そのやり取りを見ていて
色んな意味でライバルが増えたように感じ、複雑な感情にとらわれた。
ケイト「あれ?」
ノゼル「どうした」
ケイト「兄上と同じ学年ってことは…
まずは魔法学校卒業するんじゃなかったの?(首傾げ)
来年の3月に魔導書貰うんでしょ?」きょとん
ノゼル「…お前の妹はバカなのか?
どちらにせよ、私が先に魔法騎士団に入ると思うんだが」
フエゴレオン「…頭はいいんだがな;
多少抜けている所がある」汗
ケイト「あ、そうだ!;
どっちにしろ先に入るんじゃん、魔法騎士団!!;
思考が至らず、すみません!;」ぺこり
ノゼル「別にいい」
その論争は
思いもしない形で、すぐに終わりを迎えた。
と同時に
その時に彼女が語った、誓いや想いに…
彼女の成長をひしひしと感じ、私は笑った。
おそらく、ノゼルが認めたのもその点を見極めたからだろう。