八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第20章 ページ20、絆
全身に魔が飽和状態となった。
それによって、体が熱いと苦しみばかりのはずなのに、ケイトは平気な顔で…
押さえ込んでいた魔が突如として溢れ出し、身を焼こうとしていてもなお平然としていて…
その折、魔導書から魔法刀が降り下りてケイトへ突き刺さり
その直後、飽和によって「体外へ出て今にも暴れようとしていた魔」と一体化し
凄まじい白い光と共に荒れ狂っているはずの魔が、私の周囲を回り始めた。
魔導書が白く光輝き、新たにページが刻まれた。
ケイト「刀は私の魔によって作られたもの。
それで傷付けられることはない。
覆いつくされ、飽和しつくし、あまりに余った魔は…全て、刀と一体化するために。
それを受け、溜め込むことも出来たんだ。
そのために…それを危惧して、お前は護ろうと……宿ったんだな。ありがとう」
そう笑う中、その光は笑っているようにも見えた。
そんな中、辛うじてケイトは
魔を操作することで、ベッドから起き上がった。
ノエル「どうなってるの?……ケイトの魔を感じない」
ケイト「別空間だからな、感知出来ないし見ることもできない。
で…空間創造魔法、浄化の息吹!」
そう叫びながら刀を床へ突き刺した瞬間…
一時、全ての魔法は停止した。そして…禁術魔法を消し去ったらしい。
魔の力場が強過ぎて、自身が放つ魔だけで「全ての魔法を無効化」している。
実は無効化と同時に、その魔を自身のものとして取り込んでいる。
新たな別空間を作って覆う技だという。
その後、ケイトは倒れた。そして再び2か月ほど昏倒することになった。
白夜の魔眼の噂はもうない。もう聞くことはないだろうとのことだった。
心が洗われたような感覚に、私は…何故か、涙が止まらなかった。
温かな「人の想い」が詰まった、それは…全てを浄化した。
そうして、平和が訪れた。