八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第19章 ページ19、異変
共に年を越してから、例の本(254~260ページ参照)の新刊が発売された。
主人公は人を殺してから過去へ帰った。
つまり未来という時間軸においても、その手で人を殺したということは変わらない。
自殺を止めようとしなかったこと、その行動の責任をないがしろにすること、全て敵へ責任転嫁したこと、天秤にかける間もなくその場の怒りで殺したこと。
そして帰ってからもなお、殺しという行動により起こること、その行動の責任の重さ、命の重さを考えることなく、悩むことも考えることもなく今を笑っていること、
周囲から言及されぬまま容認されたことで、それが当たり前になっていること、などなど…
姉上が例の本に出て、主人公たちに伝えていた。
特に印象に残ったのは
姉上が作者へ伝えてくれた言葉を丸々使ったという、この台詞だった。
「必死に考えて考えて考え抜いて、それで辿り着いた答えにこそ意味があるんだ。
誰かが考えて、その道を進んだ所で長続きなどはしない。
自分で選んで、自分で進んで、初めて道は出来るんだ。
「自分」という名の、たった一つの道が」
その言葉と共に
「だからこそ、この力は私を選んでくれた!!」
そう叫びながら、世界を一瞬で消せるほどの力を解放してみせた。
その未来で人を殺した主人公は何度も教えを乞おうとしていたが、姉上は頑なにそれを受け入れなかった。
何故強くなる方法を教えないのか、言及されると。
上述のことを主人公達へ指摘して伝えてから
「人に言われなければわからない。そんな責任を自覚も出来ない上に取れない取ろうともしない。
そんな人に与えれば、気が付けば殺しをしていた。世界を消滅していた。ということになりかねない」
それらの危険性も危惧した上で、断っていた。
「誰もがお前を容認すると思うなよ?私はお前が嫌いだ!」と叫んでいた。