八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第19章 ページ19、異変
一番に駆けつけたのは兄上と俺で
兄上は俺と後続の人達を制して、姉上の前へと歩み出た。
攻撃いなし続けた。
炎創成魔法、螺旋火炎(イグニス・コルムナ)で。
姉上の攻撃の方向に合わせて受け流すように…
左拳を姉上から見て右へ、同様にかかと落としを下へ、同様に右拳を左へ、蹴り上げを上へ…
組手で何度も修業していた分、攻撃パターンはわかっていたのだろう。
姉上は傷付けたくない分、魔法を使いはしなかった。
いや…使えるほど回復してはいないのが、誰の目にも見て取れた。
そして距離を詰めていって、兄上は近付いていき、姉上をそっと抱き締めた。
殴られても離さず、噛み付かれても爪を突き立てられても離さぬまま頭を撫でた。
ケイト「ふううう!!うううううう!!!!」
フエゴレオン「…大丈夫だ。言っただろう?
私が独りにさせない、と…
遅くなってすまない。随分待たせてしまったな。
ケイト…私と、結婚して欲しい」
その言葉と共に唇を奪うと、姉上は涙を流しながら我に返った。
プロポーズが遅すぎるのもあるのかもしれないけれど…
それ以上に嬉しかったんだと思う。
その当日中に、結婚式と披露宴が行われた。
いきなりのお祝いごとに
兄上や姉上にゆかりのある人たちは、泡をくっていた。
この場合は、面食らったという方が正しいかもしれない。