八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第18章 ページ18、迷宮(ダンジョン)
フエゴレオン「それよりもまずは手を抜いてくれ!!」
レオポルド「姉上、大丈夫ですか!?;」
ケイト「ああ、うん。痛み皆無でびっくりしてただけ」
「すまん。確認するには触れるのが手っ取り早かった。
わし自身の身体を透過しつつ、魔石にのみ触れられるようにしていたんだ」
ケイト「もっかいやって~♪」
「こうか?」
ぐさっ
ケイト「ぐわああああああああああああああ!!!」胸押さえ&断末魔
フエゴレオン「やめんか!!;」
それからの会話で、わかったことが以下の通りだ。
「魔石」とは、それ自体が命を持つ、一種の「珪素型生命体」。
この珪素型生命体に関しては、その後の研究などの結果、次のようなことが判明した。
「炭素型生命」である高魔力を宿す者から生まれ、その宿主の生命エネルギーの一部を吸収して成長する。宿主との相性が良ければ、特に問題を起こすこともなく、順調に成長するが、相性が悪ければ宿主の健康を害し、共倒れとなる。
一定の大きさまで成長したところで、それ以上大きくはならなくなり、その後しばらくの間は何ごともなく過ぎる。
自然な形での「魔石」の所有者はこの段階になるまで自覚がなく、この時期は「休眠期」と呼ばれる。
「休眠期」が開けると、ある種のエネルギーを放出し始める。これが結果として宿主の魔力を高める効果をもたらし、その魔法能力を著しく増大させる。急にこのような状態になった場合、宿主は一時的に体調を崩すこともあるが、互いに慣れてくると、常人よりも健康で長生きするようになる。おそらくは長寿であることの原因についても、この種の「魔石」と共生関係にあるためであると推測される。
ケイト「えっと…つまりを言うと…
あの魔法帝からのお誘いで、九騎士団団長たちとの修業の時倒れたのは
無茶な修業だけじゃなくて、急激な変化に耐えきれずに?」
「おそらく、その時点で休眠期は終わったのだろう」
フエゴレオン「なるほど。だからか」
レオポルド「姉上の中に…魔石が?」
ケイト「じゃあなんで手術の時には気付かれなかったんだろう」
「透明化しつつ、触れられないよう自らしていたからだろう」
そう会話をし合う中、新しい事実に驚くばかりだった。