八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第18章 ページ18、迷宮(ダンジョン)
フエゴレオン「いずれにせよ…
死ぬには、その魔石を抜くしかないということか?」
「ああ。無理やり抜けば、「確実に」死に至る。
ゆめゆめ忘れるな。
わしには魔石はないが、お前にはある」
ケイト「え?じゃあなんで」
「魔石を宿すのはきっと、天の意思じゃ。
わしにはなかった。だが魔の恩恵はあった。
血によって受け継がれていき、それは年を取るにしたがって弱っていく。
高齢になれば普通に死ぬ。わしの場合はそれが強過ぎただけじゃ」
レオポルド「じゃあ、姉上はその異例の中でもさらに異例な?」
「ああ…魔石に触れたことで、なれない感覚が生じ、咄嗟の防御反応でおそらく倒れるじゃろう。すまん」
ケイト「いや、大丈夫で
「いや…おそらく、2か月は目が覚めんと思った方がいい」
『!!!』
「お前の身体は、この上なく弱っている。
咳喘息も然り。過労も含まれていることを忘れるな」
ケイト「えっと…どう、いう…」ぐらあっ
その瞬間、頭がぐらついた。
と同時に、咄嗟に受け止めようと腕を拡げた直後
そこへ倒れ込んできた。
フエゴレオン「ケイト!!」
そう叫んで呼び掛けたが、応答もなく…
身じろぎもないほど、深い眠りに入っていた。
「長年に溜め込み、人を悪く言うまいと嫌な思いをさすまいと気を使い続けた結果…
辿り着くのは「自滅」だ。
そのことをゆめゆめ忘れるなよ?
わしからできるのは…
残り少ない魔をケイトが生きれるよう流し込むことだけだ」
ぽおおっ
そうして…初代国王は光となって、ケイトの中へと消えていった。
残された私達はケイトを抱え、念のために治療棟で見てもらうことになった。
それから2か月もの間…
初代国王が言った通り、ケイトの意識が戻ることはなかった。
私ができることはと言えば、寝たきりのケイトの手を握り締めるだけだった。