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八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】

第17章 ページ17、二人きりの時間





実は、このように眠っているのには訳がある。

数時間ほど前、私の隣のベッドで寝ていたケイトがいきなり飛び起きた。


うたた寝していたようだが、起こした方がよかっただろうか?

そう思った時…


ケイト「ふっふっふっふっ!

はっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!^^」

狂ったように笑いだした。


そして次に語られた言葉は…



ケイト「私なんか消えればいい。死ねばいい。

そうすれば誰もが喜ぶ。誰もが笑ってられる!」

フエゴレオン「ケイト?;」


震える声で、自虐的に言うそれは

前に魔導書を通してみせてもらった狂った笑いを思い浮かばされた。

(155ページ参照)



ケイト「いなければよかったんだ。最初から。

そうすれば誰もが傷付かなかった!皆も死ななかった!!」

フエゴレオン「ケイト!」汗


ダメだ!

このままいけば、ケイトは…



ケイト「小さい時と何が違うよ?
何か護れたもんがあったか?

自分さえ消えていれば誰もが幸せになれるのに、何邪魔してんだよ…本当」

フエゴレオン「ケイト!!」
がしっ


またひとりになってしまう!!


そう思った瞬間、強く呼びかけながら両肩を掴むと

やっと私がいることに気付いた。



ケイト「フエゴ、レオン?」

フエゴレオン「しっかりしろ!

大丈夫だ…私がいる!」ぎゅううっ!!

そう叫びながら、私はケイトを強く抱き締めた。


できるだけ、大きな声で叫んだ。

その荒れ果てた精神の中でも届いて欲しくて、必死に叫んだ。



ケイト「でも…私なんかは
フエゴレオン「お前は、優しい奴だ!

私の知る限り、世界中の誰よりも!!」

ケイト「!!」

目を見開いて驚くケイトに、私は言葉を続けた。


再び、見失って欲しくはなかった。

やっと辿り着いた、自分という心を。大事にしなければいけないものを。



ひどい悪夢を見たからかもしれない。

フラッシュバックを起こしてしまったことは明白。

それがどれだけ重いかもわかっている!


それでも!!



それを、失って欲しくはなかった…


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