八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第17章 ページ17、二人きりの時間
小さい時からケイトは、人という存在からひどい目に遭わされ続けてきた。
父からのDV、母からの過干渉、周囲からの執拗ないじめ、孤立…
理解されることもなく、望む間もなく、その果てに選んだ道は「独り」。
父から執拗に怒鳴られ、蹴られ、殴られ、誰にも言えないまま。威圧されるばかり&抵抗すれば激化する
→何も言い返せない&否定してはいけない&仕返ししてもいけない
→いつ襲い来るか解らない暴力に怯える日々が続く。
姉や母を護ろうとしたが、二人は自分を護ろうとしてくれない
→自分など、大事になんて想われていない。
誰かを傷付けたくない、それでもいるだけで傷付く
→ならば必要以上に関わらなければいい。話さず主張しないことで、より誤解される。
自分は急速に治るが姉と母は違う
→自分を犠牲にして護ればいい。そうすれば誰も傷付かない。
周囲からいじめを受ける。助けを求めようにも、自分が悪いと言われ、間違っているとされる=自分はおかしい
→助けを求める=悪いこと。自分が苦しめば痛み付けられレば傷付けば死ねば誰もが喜ぶ。
父親のDVを一手に引き受けることで、自分以外は傷付かず万々歳。
周囲からのいじめも否定せず受け続けることで、誰もが幸せになれる。笑ってられる。
周囲の皆が笑って過ごせてるから万々歳。
自分が傷付くことが、死ぬことが、周囲にとって何よりの幸せになる。
自分の感情を消すこと、殺すこと、死ぬこと、それこそが周囲にとって一番の…
そういった歪んだ認識が、根底に植え付けられた。
『何て喜ばしいことだろう!
誰も苦しまない!誰も哀しまない!
私なんてどうなったって、何とも思われない!!
どんなに痛くて苦しもうが、それを笑ってられる人たちしかいないんだもん!!!』
そう悟り、狂ったように笑った時間があった。
(155ページ参照)
そんな幼少時代を
その苦しみを誰にも話せぬまま、過ごしていたらしい。
大丈夫だと言う以外、選択肢はないという環境で…
そういったことから、人肌が恋しいのは解る。
だから…突き放せない。
何より私は、決して独りにしないと誓った。
だからこそ…
私は、この道を選んだ。