八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第17章 ページ17、二人きりの時間
目が覚めたときは…いつもよりも晴れやかな笑顔で笑い合える……
何故か、そんな確信があった…
「ちゃんと考えろよ。残された側が、どんな思いするのか!!
会いたくても会いたくても会えないんだぞ!
殺すお前にとっては会いたくなくっても、会いたいって願う人間だっているんだぞ!!」
涙ながらに、その作品を読みながら叫んだケイトがまぶたに浮かんだ。
それほど、痛切に感じてやまなかったのだろう。
失ったからこそ、奪われたからこそ、わかる痛みというものがある。
そう訴えかけていたケイトの姿が、何故か頭から離れなかった。
そうして眠りにつく中、気付くともう夕暮れで
ケイトは私にしがみついたままで…
フエゴレオン「さて…(どうしたものか;」汗
冷や汗を額に滲ませながら、私は呟いた。
少し体を起こしたことで、若干起きたのか…
ケイト「…ん?」
フエゴレオン「お。気付いたか?」
ケイト「…おはよ」ごしごし
目を擦って、身体を少しばかり起こした。
裾を未だにしっかりと握り締めたまま。
フエゴレオン「…大丈夫か?」
ケイト「…うん」
そう呟くケイトは笑顔で、どこか…吹っ切れたような顔をしていた。
しかし、僅かに哀しんでいるような眼をしていた。
憂いを秘めた眼でうつむくケイトと向き合う中
ケイト「はっ!!)ってあれ?お供え物したっけ!?;」
フエゴレオン「ああ、していたから大丈夫だ」
ケイト「よかったあああ」ほっ
突如として不安に駆られたようで、叫び出し
それに私が答えると、安心したようで胸をなでおろしていた。
フエゴレオン(よかった…
いつものようにいられるほどには回復したのだな)
背負ってばかりで、先程までずっと俯きながら噛み殺し続けていたそれが
少しばかりマシになって
いつもの開放的なケイトに戻ったようにも思えて、私は安心感を憶えて笑った。