八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第4章 ページ4、家族
8月16日、赤ん坊が生まれてからは大忙しだった。
ケイト「産まれたー!弟だー!修業だー!」
そう騒いでははしゃぎ、あたりをけたたましく
凄まじい足音と共に走り回っており、全く落ち着く様子さえもなかった。
フエゴレオン「落ち着け。いかなる時も冷静にだ」そわそわ
ケイト「はい!」敬礼&気を付け
ぴたっ!
その言葉に、ケイトは落ち着きを取り戻しているようだが
私は違った。
実際の所、口では立派なことを言っているが
正直のところを言うと、ケイトと同じく落ち着かないのは内緒である。
初めての弟、なおかつ赤ん坊の面倒を見るなどといったことに
そわそわと落ち着きを取り戻せず、行ったり来たりを繰り返していた。
ケイト「兄上…」
フエゴレオン「ドキッ!)なんだ?
(もしや気付かれたか?;」←ばれたくない
ケイト「赤ん坊の名前、なんていうんだろう」
フエゴレオン「……父上と母上が決めるだろう」
ケイト「そっか…早く決まるといいね。
ずっと赤ん坊じゃ、赤ん坊に赤ん坊って名前だと思われちゃう」
フエゴレオン「くす)…そうだな」
そんな誰も思いつかないような、バカげた質問に
私は笑った。
本人はどうやら本気で心配しているようだが、私はそうは思わない。
なぜなら
私に赤ん坊の頃の記憶などないように、おそらく記憶に残ることはないだろうという確信があったからだ。
その理由を説明すると、やっと落ち着きを取り戻し
ケイト「流石兄上!(ぱああ」
いたく感心したように見えた。
考えれば解るはずなのだが、それよりも先にまず心配して気に掛けるのはいい所だと思う。
誰もが出来ることではないだろうからな。