八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第4章 ページ4、家族
出会った頃が、なぜか懐かしく感じた。
あの当時、私は12歳で、魔法学校に入ったばかりだった。
そしてケイトは8歳で、心を閉ざし切っていた。
それから、ケイトは徐々に変わっていった。
小さなことから、少しずつ…
変わって、勉強して、共に学んで、成長した。
それが愛おしくて、思わず抱き締めた。
ケイト「!兄上?」おずおず
フエゴレオン「…大きくなったな」
そう笑いかけると、ケイトは嬉しそうに笑い
ケイト「うん!^^」
元気よく答えて、頷いた。
フエゴレオン「…将来は、どうするつもりだ?」
ケイト「兄上と結婚!」
フエゴレオン「ぶっ!!」
ケイト「愛してるから!^^♪」にこにこ
さて…
どうしようか、本当に悩む。
ケイト「今夜一緒に寝よー^^♪」るんるん
フエゴレオン「…」微笑
だが
それさえも愛おしいと思えてしまう、何かがあった。
フエゴレオン「ああ」
ケイト「兄上の腕の中気持ちいいんだよね^^」
私と一緒に寝るようになってから
悪夢を見ることはめっきり減ったらしい。
そして…
ぐー
ケイト「…お腹空いた;」
フエゴレオン「明日早起きすればいい。
明かりを消すぞ」
ケイト「うん!^^」
何も食べようともせず、飲もうともしなかった時と比べれば
いかんせん、腹が減るようになったようだ。
その変化は、喜ばしい限りで。
なぜか…
心なしか、ケイトと共に過ごす明日を楽しみに想う自分がいた。
それはケイトも同じようで
喜々として、明日の休日にすることを語り続け…
数分も経たない内に眠ってしまっていた。
眠ってしまえば悪夢を見そうで
常に安心できず、不安で眠ることさえも警戒し続けていたあの頃が
まるで遠い夢のようだ。
フエゴレオン「お休み…」微笑
月明りが差し込む中、布団をかけながらその頭をそっと撫でると
とても気持ちよさそうに微笑むそれに、思わず私は笑みを零し
共に眠った。