八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第17章 ページ17、二人きりの時間
がしっ!!
フエゴレオン「違う!!!
お前のせいで死んだんじゃない!
悪いのは、お前のその力を悪用した者だ!!」
ケイト「それでも…
あの当時、全力で身体を引きちぎってでも頑張っていれば逃げれていたって言ったら?」
フエゴレオン「!!」
ケイト「実はさ…あの当時、諦めたんだ。
ああ、何を言っても無駄なんだ、必死に抵抗しても縛り付けられて
何やっても、言っても…全部、全部…全部…っ;;
諦めるしかなかった。
死んだ方がいいって解ってても、死ぬ方法が解んなくて
死のうとしても魔が治してきて……;;
もう、いいやって…そうするしか、なかったんだ;」
フエゴレオン「……」
涙ながらに声を詰まらせながら
必死に伝えようと、ポツリポツリとつぶやく中
私は、それに聴き入りつつも見つめるばかりだった。
ケイト「だから…私が殺したのも同じなんだ。
動けなかった、何も出来なかった、私にも責任はあるんだ。
少なからず、何かしら変わってたかもしれない。だから…」
フエゴレオン「それでも私は…
そのおかげで、お前に会えた。共に過ごせた。
それが、たまらなく嬉しかった」
ぎゅうう!!
ケイト「!!」
そう言いながら、私は強く抱き締めた。
愛していたい、傍に感じていたい、
色んな感情がありながら、手放したくない思いばかりが止まらずにそこにあった。
フエゴレオン「…だから……お前一人で抱え込むな」
ケイト「っ…;;ぅっ;;」ぼろぼろ
そう、声にならない言葉を発しながら涙を零した。
堰が切れたように、必死に隠していた感情なども一緒になって涙として出ていこうとしているようにも見えた。
その背を撫でながら、ケイトもまた抱き返しながら縋りついてきた。
止めどない涙と共に、その場に声が響いた。
ケイト「ごめん、なさい…ごめんなさい;;
護れなくて…ごめんね;;ひっく;
………ありがとう」
泣き崩れてから膝から崩れ落ち、それにつられて跪く中
ハーミット一族の墓と、前魔法帝の墓へ向けて、その声は呟かれた。
何故か心に染み入り…
自分まで、涙が零れ落ちるような……
そんな、痛切な声だった。