八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第16章 ページ16、遠征
試験終了から、授賞式が開始される1分前
魔道士の魔法準備を確認後
授賞式の際に、選手(私達が座っている席側へ)歩み寄ってくるケイトを確認した。
そして私が作戦決行の意を込めながら、ケイトを指さすと
魔道士は黙って頷き、ばれないようにそっと魔法を宿した魔をケイトへ向けて集中させた。
すると…表彰してから後
ぼふんっ!!
ケイト「……う?」きょとん
2歳程度の大きさになったケイトに…
一瞬愛らしさのあまり、私は目もくらみそうになったが我慢して小脇へ抱え込んだ。
と同時に、ヤミが幼いケイトへ刀を突きつけた。
『キャー!!!!!』
その瞬間、悲鳴が上がった。
黄色い声と、真っ青な声、両方が入り混じった場内は混乱状態にあった。
そして……
ケイト「え!?何!?何!?敵意ないのになんで!!?;」おろおろ
予定通り、慌てふためくケイトへノゼルが歩み寄った。
無論、周囲の魔道士も
こちらの様子を窺いつつ瞬時に切り込んでいけるよう身構えている。
なるほど。よく鍛えられている。
一見しただけで、その実力は容易に感じ取れた。
それぐらいに体内の魔もよく磨き上げれているし
自然に内在する魔もまた体内へ取り込みつつ、魔力としてよく練れているのが、より強く感じ取れた。
なるほど…
試験中の時も感じたが、確かに実力は既に魔法騎士団団長並みだな。
そう感心する中、ノゼルの動きに全員が集中していた。
ノゼル「誕生日おめでとう」ぽんっ
そう頭を撫でる中、周囲の動きは固まった。
ケイト「……へ?」
黒装束に包まれた私達は、そろってフードを取った。
ヤミ「俺等だよ。バーカ」
フエゴレオン「うまくいったようで何よりだな」微笑
ケイト「ってえ!?;誕生日ドッキリ!!?;」焦
状況について行けず、?を浮かべるケイトに…
私達はしてやったりで、楽しんでいた。
そして身構えていた魔道士たちもまた、安心したようで一息ついていた。
が…
予想していた通り、予め伝えておいて欲しいと怒られることになったのは言うまでもない。