八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第16章 ページ16、遠征
考えてみれば、今が今であること自体が奇跡そのものだ。
出会ってくれなければ、今はなかった。
支えられて、助けられて、生かされて、今がある。
それらは全て…この世界と繋がることでなり得たものばかりだ。
そして私は考えに考えた末…
この世に存在する全てが「神」だと行きついた。
育った環境、過ごす環境は、その場所場所によって変わってくる。
それでもなお、それらは全て密接に繋がり合っている。それも切り離せないほど歪に。
数多の存在が一つとなり、この世界となり、互いを生かし、気が遠くなるほどの時を経て、紡がれたことで、今が出来上がった。
殺されかけなければ、フエゴレオンと出会えなかった。絶望しかなかった。立ち直れなかった。人を信じられなかった。皆と出会えなかった。
些細な存在まで、目に見えないそれらさえも全てが
「この世の全て」が、今を形作り、私を生かしてくれた。
幸せだと感じさせるまでに…
だからこそ、私はこの考えに行きついた。
それさえも奇跡で、今もなお私達は互いに影響を受け合い、ぶつかり合い、こうして生きている。
その外でもまた、別の認識や世界が拡がっている。
全てが全てにとって、導きとなると考えた。
だからこそ私を生かして、この世にとどまらせてくれている細胞も、魔も、目に見えないものも、全てが「神」だと悟った。
数多の存在に感謝し、生かしてくれた感謝を込めて大事にするよう接し、どんな存在でも尊び、その幸せを祈る。
たとえ敵でも傷付けたくない。その想いが強まった。
なんにせよ…
人生は深いって話だよな。きっと……
そう思いながら考える中、試験官として私は呼び出された。
ケイト(どうか…
フエゴレオンが元気にやっていますように)
そう心の中で合掌して祈る中…
フエゴレオン「いい加減に喧嘩はやめろ!!;」
ヤミ&ノゼル『こいつが悪い!!!』
意外とすぐ近くで喧嘩を諫めていたなど、当時の私は知る由もなかった。