八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第16章 ページ16、遠征
ケイト『……お母さん?』ゆさゆさっ
母『……』
気付けば口元も声も震えていた。それでも必死で揺すった。
ケイト『大丈夫だよ。お母さん』
母『……』
ケイト『どいて…大丈夫だから……』
必死に動かそうとする中
それはピクリとも動かず、覆い被さったまま、私を抱き締めたまま死んでいた。
必死に手繰り寄せて、抱き締めた状態から、決して離れることなどなかった。
ケイト『お母…さん(ぽとっ)
…お母…さんっ』
気付けば、涙が止まらなかった。
必死に護ろうとしてくれた母に、母の死骸に包丁を刺し続ける父にも、既にこと切れていた姉にも…
それから後の出来事は知っている。
無理やり父の手によって母を引きはがされ、再び刺され続けた。
私が刺され始めた最初から数えて30回目にして、やっと…意識を手放した。
そして気付けば……
母/魔法帝『ごめんね……/すまない…』
母と魔法帝の死んだ所が重なり、同時に声が頭に響き
あの当時(348~350ページ参照)、フラッシュバックを起こした。
私のせいで死んだ、私が殺したも同然だ。
そう思って、涙を流したあの頃と…全く同じ状況だったから……
ケイト『うあああああああああ;;
あああああああああああああああっ;;』
ケイト『「ああああああああああああ!!!!!;;」』
気付けば、私も一緒に断末魔をあげていた。
がばっ!!!!!!
その瞬間、私は飛び起きた。
心の中で絶叫を上げる中、ふと辺りを見渡すとベッドの上で…
夢だったのだと悟った。
ケイト「はあっはあっはあっ!!」
気付けば、息を切らしていた。
それほどに…ひどいものだった。
『最悪の夢だ……』
一人きりの部屋で、私は思った。