八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第16章 ページ16、遠征
そう道中にて、騒がしくも前に進んでいく中
フエゴレオン「ケイトの方はどうしているだろうか?」ぽつり
ヤミ「あん?今頃のんきに飯食って屁ぇこいて寝てんだろ」
ノゼル「貴様には聞いていない」イラッ
ヤミ「?何で二人そろって不機嫌になってんだ?黒いな、表情が」
フエゴレオン「下品にもほどがある。ケイトに無理やりにでも付き合いを考えさせようか…」イライラ
ノゼル「今すぐにそうしろ。考える必要もなく断ち切れ」イライラ
ノゼルと揃って苛立ちと共に表情を暗くさせる中
私達は気付く由もなかった。
ケイトの心に、かげりが差していることを…
~ケイト視点~
痛いよ…
ぐさっ!!
やめてよ…
ぐさっ!!!
お父さん……
ぐさっ!!ぐさっ!!!
左胸を刺される感触と痛み、生々しい音が辺りと私に響いていた(156ページ参照)。
母『やめっ…て!!』
こと切れたと思っていた母は、辛うじて息があった。
必死に這ってきて、私へ覆い被さるように抱き締めた。
父『邪魔するな死にぞこないが!!』げしっ!!
ケイト『やめてよ、お母さん…大丈夫だよ。大丈夫なんだよ?』
ぽとっぽととっ
ケイト『?お母さん?何で震えてるの?何で…泣いてるの?』
母『ごめんね…あなた一人、背負わせて…私じゃ、止めること…出来なくてっ;;』ぎゅうう
ケイト『やめて…やめてよ…
どうせ勝手に治るんだよ?だから大丈夫だよ。
どいてよ…どいてよ!お母さん』ぐっ
父から蹴られ続ける中
それでもなお母は決して退くことはなく、私に覆い被さり続けた。
その母の後ろから、父が再び包丁を振りかぶって刺し出した。
ぐさっ!!
ケイト『お母さん!!』
ぐさっ!!
母『大好きよ…お願いだから…生きて……
最後まで、一緒に居れなくて…見れなくて……ごめん…ね……』
ばたっ
力つくたように、私に全体重がかかってきた。
ぐさっ!!ぐさっ!!!
その間もなお、常に刺し続けているのだろう。その父の行動による音が、鳴り止むことはなかった。
その背景音の中…
震えながら呟いた私の声は虚しく響き、答えるものなどいなかった。