八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第16章 ページ16、遠征
たまりにたまったうっぷんが思わぬ形で発散されていく中…
私の脳裏には、最初のきっかけとも言える出来事が浮かんでいた。
時を遡ること、ケイトの誕生日より二日前…
私達はユリウス殿から呼び出され、直々に頼まれた。
ユリウス「いや~、悪いんだけど…
ケイトちゃんの様子、見にいってくれない?」
フエゴレオン「?何故私達が行く必要があるのですか?」
ノゼル「報告書で送られていたはずだが」
ユリウス「問題はその報告書なんだよ。
近々総まとめとして試験を行われるらしいんだ。
それに参加して驚かせてくれない?」にや
ヤミ「?何で俺達がんなことしなきゃいけねえんだよ、ユリウスの旦那」ぼりぼり
ユリウス「そりゃあ…決まっているよ」
フエゴレオン「もしや暗殺者が紛れ込んでいると!!?」驚
ヤミ「何!?そりゃ大変だ!!」驚
ノゼル「落ち着け。騒々しい(溜息)
もしもそうなら、思念伝達で即座に読み取れるはずだろうが」きっぱり
フエゴレオン「あ、ああ…」
ヤミ「それもそうだな」
ユリウス「ふっ。
私が考えているのはそんなことじゃない!!
ただ一つ!
エイプリルフールの仕返しってことで
暗殺者三人組に扮装して様子を窺いつつ、最後にはお祝いムードで盛大に暴れてきてくれ!!」
『お断りします』淡々
ユリウス「…え?・・;」
ヤミ「めんどくせえ」きっぱり←めんどくさいだけ
ノゼル「普通に会いに行けばいいだけの話だろう」溜息←呆れ果てている
フエゴレオン「私情故の任務は流石に如何なものかと;」汗←会いたいことは会いたいが利用されるのは嫌だ
ユリウス「うむむ…
仕方がない!最終手段だ!!」ばっ!!
『!!?』
ユリウス「今なら…
この任務をするだけで、ケイトの小さい時の生写真全てただでやろう!!!!」
『買った!!!!』
みなまで言わず
このような経緯で私達は、そろいもそろって欲しいものにつられて快諾してしまった。
人生…
衝動に負けては、大変手間がかかることになる。
それを学んだのは事が済んでから後、渡された直後に行くよう促された時だった。
そうして今やクローバー王国を出立して二日目…
争い合いながらも進んでいき
総まとめ試験が行われるケイトの二十歳の誕生日、私達はハート王国についた。