八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第15章 ページ15、喪失
ユリウス「でも…その言葉は、聞きたかったものじゃない…
それは…君が一番、わかっているだろう?」
ケイト「………」すっ
それから数秒の沈黙の後
ケイトは私とユリウス殿の間を通って前に出て、頭を下げた。
ケイト「ありがとう…ございました!
今まで、本当に…ありがとうございました!(ふるふる)
どうか…あの世でも幸せに……」
鼻水から涙までボロボロと溢しながら、最後に礼を言った。
震えながら、噛み締めながら…
最後に、背中にそっと手を添えると
それに促されるままケイトは壇上を降り、退場していった。
その間もずっと泣いており…
涙と共に、温かな拍手が響いた。
パチパチパチパチ…
ここに居る人たちもまた、大事に思っていたのに違いない。
だが…なぜだろうか。
嫉妬しそうになる自分がいる。
『自分の時は、それほど泣いてくれるだろうか?』
不思議と、そんな疑念が浮かんだ。
それから数日後…
何日も沈み込むだろうと予期していたのだが、それは杞憂に終わった。
というのも……
ケイト「大丈夫!
ここで元気出さなきゃ、あいつに笑われちゃう!^^
だから頑張るんだ!(ぐっ!」にかっ!
本人は拳を握り締めながら笑って叫んでおり
何とか立ち上がったようにも見えた。
ユリウス殿曰く
「ルドルフは
僕にとっては…もったいないぐらいの兄だったよ。
あまりにも無邪気で、魔法のこととなると止まらなくなるのが欠点だけどね^^;
おかげで、僕も魔法マニアになってしまった。たはは;」汗
苦笑交じりに言う言葉は、とても楽し気で…
兄を誇りに想っていたことは、誰の目にも明らかだった。
そうして…
再び、私達は戦場へと戻った。
もう二度と、失わせないためにも――