八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第15章 ページ15、喪失
ケイト『ちゃんと、見てくれるから。
だから私は…
フエゴレオンに、惚れたんだよ^^』
いつだったか、ケイトが言っていた言葉が胸をよぎる。
だが
このままでは…世界ごと壊しかねない。
フエゴレオン「ケイト!!」
じゅうううう
焼けつくような痛みが広がる中、それでも私はケイトへ近づいた。
息を吸うだけでも痛みが発する。
肺まで火傷をしたように感じる。
それでも、止まるわけにはいかなかった。
その中で…
触れた途端に痛みが消えていき、
荒々しく荒れ続ける魔の奔流…
しかし、効果は二種類あった。
一つは己さえも全てを焼き尽くそうとする力。
これが先ほどから暴走している種類の方だろう。
もう一つは、全てを治し護ろうとする力。
本来持っている力であり、もともと一番向いている種類の方でもあったものだ。
双方があるからこそ、ケイトは無事であり続けたのだろう。
だが、このままでは…
もう一方の魔さえも焼き尽くさん勢いだ。
正気に戻させるには…
フエゴレオン「…あれしかない、か」
このままでは、どちらにせよ痛い思いをするのは必至。
ならば、いっそ……
そう考えるや否や、私はケイトを抱き締めた。
じゅううううううううううううう
凄まじい勢いで魔に焼かれ、また治されていく。
その中で…
私はケイトを真っ直ぐ見つめながら、唇を重ねた。