八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第15章 ページ15、喪失
やはり、規模が先程よりも遥かに大きくなり続けている。
最初こそ、自分を中心に直径5m程度だった規模のものが
今は、30mも先にいる。
普段なら押さえ込み続けているはずの魔力をも
感情の奔流に抗えず、解放してしまったのだろう。
ケイト「わあああああああああ;;;」
泣き叫ぶ声が、聞こえてきた。
と同時に、白く光輝く魔が私へ襲い掛かってきた。
吹き飛ばされそうになる中、辛うじて踏ん張ったが
それがケイトの周りを覆っており、護ろうとしているようにも見えた。
フエゴレオン「ケイト!!聞こえるか!?」
ケイト「ひっく;;うえっ;;」
涙をぼろぼろと零すケイトに必死に叫ぶが
ケイト「あっ;うっ;」
魔法帝の傷口を押さえていた手が血に染まっており
それを見つめながら、『自分が殺したんだ』と声が頭に響いて聞こえた。
フエゴレオン「違う!!お前は殺してなd
じゅうううううう!!
フエゴレオン「っ!」
手を伸ばした矢先、指先が燃えたように熱くなった。
それに包まれているケイトは…
一体、どれほどの……
ケイト「私なんかが…いた、せいだ。
いなければ…
誰も…傷付かないで、済んだのに;;
また……失ってしまったんだ」
自分さえも焼き尽くそうとするかのような熱い魔の中
涙が次々に蒸発していくのが、ひどく印象に残った。
魔法帝はその場に横たわっており、動かず悪影響もないままでいた。