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八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】

第15章 ページ15、喪失





前方にあった渦は、先程の二人が押した行為により

ヒビが拡がっていた。



ケイト『でも…そんなことしたら、フエゴレオンが!!
絶対、ただじゃ済まないよ!』真っ青


あの言葉が、脳裏に浮かぶ。



『ああ。そうだな。

この渦に無理やり突っ込めば、ただでは済まないだろう。
それでも…


誓った。



額に、焼き付けた。

それに背を向ける道理もないし、そのつもりは金輪際死んでもない!』


その想いと共に

ヤミとノゼルの魔もまた、私の右手へと一瞬で集約されていった。



ノゼル「貸しにしてやる。護らねば赦さん!!」
フエゴレオン「もとよりそのつもりだ!!」
ヤミ「任せたぞ!!」

だんっ!!!!!!

二人に同時に力強く押されるままに、私も踏み出した。


前へ――



ばき!!
ばききっぎぎぎっ!!!!

バリィン!!!!!


どさっ!!!!!



途中で、削れる音がした。

だが…
それらは、私達の魔が打ち勝った音だった。


もはや力は残ってはおらず、勢い余ってうつ伏せに倒れた中



フエゴレオン「はあっ…はあっ…はあっ…」

震える右手を広げてみた。


情けなくも震え続けるそれは傷付いてはおらず、身体にも痛みはなく

無傷で入れたのだということがわかり、それに間違いはなかった。



フエゴレオン「よしっ!」

その右手を握り締める中、すぐに起き上がった。


割れて通り抜けたはずの場所にあたる渦は

瞬時に塞がってしまったようで、再び穴を開けることもできぬほど猛威を振るっていた。



あまりに濃密すぎる魔により、「魔の力場」が強く働いているのだろう。

魔法が使えなかったことも頷ける。


最初、炎創成魔法の螺旋火炎(イグニス・コルムナ)で相殺しながら入ることを考えていたが

それが無理だったため、魔で一か所のみを破って入ることを択んだ。




中でもまた、魔法も使えず、無論魔も使い切ってしまってない。


太陽の光が天上から強く差し込んでくる中

私は、中心にいるだろうケイトの下へと走り出した。



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