八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第13章 ページ13、誓いの印
そして俺は、ことのあらましを言った…
姉上が一人きりで部屋に閉じこもった折、カギがかけられたまま失踪。
ベッドには血痕があったこと。
それを見た兄上が血相を変えて、探し回るために必死に飛び出していったこと。
ノゼル「わかった。
ケイトに関しては、私も探す。
近頃、この国に敵が入り込んだとの報告があった。
危ないからお前たちは中に居ろ」
レオポルド「…でも!」
ノゼル「人質にとられれば迷惑だ(きっぱり)
黙って家に入っていろ」
レオポルド「…はい;」しょぼん
ノゼル「ノエル、お前もだ」
ノエル「…はい;」しゅんっ
ミモザ「力になりたかったです」しょぼん
ノゼル「力になりたいなら、なおさら自身の身ぐらい自分で護れ」
途中でノゼルさんに止められることになり、俺たち三人は安全のためと諭され
そろって近くにあった、俺たちの暮らすヴァーミリオン家の宮廷に押し込まれた。
溜息交じりに呟かれたノゼルさんの声が、骨身に沁みたように感じた。
俺はまだ子供で、護られるばかりなことが…
情けなく、無力で…
痛かった。
姉上は大丈夫だろうか…
その心配ばかりが、頭の中で一杯になっていた。
わけなのだが
ノエル「ケイトのことだから瞬殺して帰ってくるわよ」
ミモザ「そうですね^^」
その言葉だけが、救いだった。
無事でいて欲しい…
それだけでいいとさえ、思った。
あの誕生日の時…
『一生目覚めないかもしれない』なんて言葉も要らなかった。
その可能性が皆無な方が、俺は余程嬉しかったから。
俺は…
また、あんなことにならないよう祈るばかりだった。