八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第1章 ページ1、出生
産まれた後
姉は「お母さんをいじめんといて!」と父の前に立ちはだかったり
母の話をたくさん聞いたりと、心を大いに救ったわけだが…
こちらといえば、それほどの大きなことはできず
どちらかと言えば、父に姉より可愛がられているといった感じで
間を取り持ったり、怒りのままに殺そうとしてくる父の暴行を力づくで止めに入ったりぐらいのことしか出来ずにいた。
姉は頭がよく要領もよく、力は弱い。
私はどちらかと言えば要領悪く、力が強い。
姉は本が読むのが好きで話し上手で、人としても秀でており
私は力仕事や回復魔法が秀でていた。
姉や母親からは、「ケイトの純粋な所と優しい所、好きだよ。
こちらとしても、それに癒やされて助かってる」と言われて褒められたが…
そこに付け入られることもしばしば多く、姉が睨みきかせてくれていた。
ケイト「うーん;
ユウ姉ちゃん、人付き合い苦手;」
ユウ「誰でも苦手」
淡々と言いながら、手を引っ張ってくれた。
ユウ「そういうとこ、変わらなくていいよ。
人として大事な所なんだから。
いじめてくる方が悪い」
ケイト「うん;」
いじめられている時、そんな感じに言ってくれた。
わけだが、いじめはなくなるわけじゃない。
攻撃的な魔法よりも防御的な魔法
それよりも人や草や物質を回復させる方に秀でてしまった自分には
それらに対抗する手段はないままで
終いには、自分のことで怒ることさえもなくなってしまった。