八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第1章 ページ1、出生
ハーミット一族…
それは、王貴界の中でも外れの方に住んでいた。
唯一の田舎のような場所でありながら、自然豊かで
そこに住む人たちを守りながら生きていた。
何故ハーミットというのかというと
暮らしをよりよくするために都の発展に力を注ぎ
隠れ住むように、王貴界の中でも隅に住んでいたからである。
なおかつ、王や民を守ることも同時進行でやっており
魔法騎士団随一の力を持つ者として活躍していたらしい。
で、かくいう私はその家に生まれたわけなのだが…
ものすんごく期待の眼を向けられていた;
まあ、中でも両親は共に
四つ葉の魔導書(グリモワール)に選ばれており
母親はハーミット家の長女(一人っ子)、父親はヴァーミリオン家の次男(入り婿)。
しかし、だからといって
人格がさぞかし立派というわけではない…
というのも
父親は赤ん坊の時は臭いから近づけるなと遠ざけ
物心つき始めた頃になってから可愛がり、最初から面倒を見ていたような顔をする人。
おまけに外面よくて内弁慶みたいなところがあり
怒り心頭になると
DVやらで八つ当たりを受け、虐待に近いことをされてきた。
母親は優しく、口が多いわけだが
思い通りにならなければヒステリックにわめき、当たり散らす。
なおかつ、子離れできてない典型的な母親である。
姉は優しいわけだが、厳しい。
将来のことを考えてか
いつ社会に出てもやっていけるようにと、最低限のマナーを教えてくる。
この家の中で唯一まともで、相談相手だと思える人だ。
そんな王族でありながら平凡に等しい家庭に、私は生まれた。
前置きが長くなったが
これから書くのは、私が実際に経験した事柄である。