八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第12章 ページ12、穏やかな日常
気に食わないと思った理由は、ごく単純で
そういった目に遭わされてもなお、王族として生きている点だ。
ケイトのことを母上から教わった時
そのような目に遭いながら生き恥をさらしているようにも感じ
気に食わないという印象しか抱かなかった。
だが、その実は…
見ると聞くとでは大違いというように、全然違っていた。
そして結果的に好意を抱いてはいるわけだが……
どうやら一歩遅かったらしく、フエゴレオンと結婚すると本人は堂々と言い張っている。
挙句の果てには、親友に異邦人を加えるほどの大馬鹿者だ。
国籍が違うからと言って差別せず、人となりを見て決めるそれは…
人として一番大切なものを持っているようにも見えた。
だからこそ惚れたわけなのだが…;
どうにも、そういった部分は変えられないらしい。
あいつは今も、異邦人を処刑から護ろうとばかりしている。
威嚇することも間々あるほどだ;
しまった。少し脱線したな。
あの後、ケイトが風呂から上がってから
母上から勧められるままに、紅茶に舌鼓を打っていた。
それからケイトは礼と誕生日プレゼントと称し
例の麺料理をごちそうしてくれた。
その時、ネブラとソリドと知り合い
親密な関係を今でも築いている。
つゆと麺はどこにでもあるものだが
麺のゆで方に関しては、数多の料理人にも負けないほどうまく
噛み心地もよく、のどごしもよく、幾度つゆにつけても透明を保ち
ぷりぷりとした触感は、さながらに新鮮な海老を脳裏に浮かばせた。
無論、言うまでもなくコックに欲しがり
毎日それを頼みたくなるほどの腕前だったわけで…
その食べた当時は、騒然と化していた。