八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第4章 ページ4、家族
父上「…うむ;
それはよかった。
(ケイトの実父の話は、これきりにしよう)
ここには、慣れたか?」
ケイト「はい!」
おずおずと尋ねる父に、ケイトは元気よく答えていた。
実際の所、ケイトの生みの父親は
ヴァーミリオン家にとって次男だったわけだが、血縁までも絶縁されていた。
彼は昔から、わいせつ罪という見ず知らずの女性を触ろうとする常習犯で
ハーミット家など下らない、絶対に名乗らない、一緒の墓に入らないなどの暴言を吐いており
長年に渡る、妻や子供に対する暴行や
DVなどの虐待まで犯罪行為をしていると通報されてからは
証拠を抹消するために、両親や子供を手にかけて殺し
そこに入ってきた人に強盗だと思われて、殺されたらしい。
そのため
その存在自体、戸籍から魔法騎士団の記録に至るまで抹消されており
私が知ることは、その時(13歳の時)まで全くもってなかった。
結果として
周囲や私たちには、その存在を悟られることも一切なく
ケイトの両親は、それほど名もなく
魔法騎士団でもないが
四つ葉の魔導書を持っている人だという印象しかなかった。
伝えられていたのは
両親は共に町民や王を守ることに徹し、その町における文明を発展させたこと。
が、実際の所ケイトの父は
友人の紹介から商工会の係長を務めており
サラリーマンのような仕事をしていたらしい。
それに比べれば母は父より遥かにまともで頭もよく
専業主婦をしながら、ピアノを近所の子供に教えており
子供の面倒も見て、魔などに対する勉強を教えていたらしい。
基本優しく、人としても良く
問題点はヒステリックにわめく点だけだったらしい。
引き取られた点に関しても
父同士の繋がりは一切明かされず、存在しないものとされていた。
実際、ケイトと私の母同士がいとこで血が繋がっており
ヴァーミリオン家と血の繋がりがあったため、引き取られたのだと周囲に明かされていた。