八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第4章 ページ4、家族
父上との関係も、どうやら良好のようだが
一番衝撃的だったやり取りは…
父上「すまない。私の身内が多大な迷惑をかけたようで」
頭を下げる父上に、ケイトがかけた台詞である。
ケイト「安心してください。
あれを父と思ったことはありません。
たまに帰ってきては八つ当たりするそれを父というなら、暴虐者までもが全て父ということになりましょう。
こちらとしても勘当しているので安心してください。
いい経験だったと思えば割り切れます」
娘から勘当される父の話を初めて聞いた。
父関連の話を避けていたのは、殺されかけた故だと思っていたが
どうやらそれだけではなかったようだ。
父上「そ、そうか;
(娘から勘当されるとは、一体彼女にどれほどの仕打ちを…;)
おっほん。
あやつは期待され、両親から厳しく育てられたが
四つ葉の魔導書まで持ち、有頂天になるばかりでなく
いかんせん魔法騎士団になってからは悪化し、ひどいことをしていたようだ。
後に知っての通り問題を起こしてやめさせられ
我が家から勘当され、血縁さえも否定されたわけだが
私としてはやはり、そなたを姪として気にかけていた。
さぞかし、辛い思いをしてきただろう」
ケイト「大丈夫です。
あんなものと血が繋がっているとは思いたくありません。
この世で生まれるきっかけとなったことに感謝こそすれ
愛おしいと思ったことはもちろん、愛情を抱いたことさえもありません。
なれど、今私を娘として
真正面から向かい合って下さるあなたは、まごうことなき立派な父上です。
あれを家庭、家族だと思ってはいましたが
このような温かな魔に包まれる経験は初めてですし、何より嬉しゅうございました」
淡々と語るそれはやはり…
家族としての温かさを知らなかったことが、誰の目にもうかがえた。