八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第12章 ページ12、穏やかな日常
嫌いになるほどの、辛い出来事があって
それを受け入れられないまま、否定され続けてきた。
ただの嫉妬だと言われ、罵られ、挙句の果てには孤立させられた。
フエゴレオン「大丈夫だ…
私はちゃんと、解っている。
お前が嫌いになる理由も、よく解る。
だから安心して泣け。そして吐け。
気の済むまで吐いて、後で一緒に考えよう」
ケイト「う…んっ;;」
涙と共に震えながらしがみ付くケイトに
私は微笑みながら、呟いた。
すると、僅かながらではあるが安心した表情を見せた。
家族を殺されたものの気持ちは、その痛みは誰しもがわかるものではない。
実際に殺されなければ、分かり得ない。
だが…想像することはできる。
その痛みに寄り添えば、分け合うように生きていけば…きっと…
どんな痛みでも乗り越えていけると、私は信じている。
それを信じさせてくれたのは…他でもないケイトだった。
ケイトに出会ったおかげで、寄り添ってくれたおかげで
ヴァーミリオン家の次期当主の重責も、何もかもが…
明るく、眩しく感じられるようになったのだから……
ただ、生きているだけで…
それだけでも、本当に喜ばしく感じるぐらいに焦がれてしまった。
そしてそれはケイトも同じだったようで、泣きながら何度も「ありがとう」を言い続けていた。
「こんな私を、否定しないでくれて…
受け入れてくれて、本当にありがとう;;」と…
涙を流しながら、次に言う言葉はもう言わずとも解ってる。