八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第9章 ページ9、誕生日
そうしてレオを追いかけるケイトを見守りつつ
その楽しそうに笑う二人に追いつこうと、私も笑いながら走り出した。
だが…
その時、レオの走る先に居る人たちの中でおかしな人影を見つけた。
フエゴレオン&ケイト『!』
どうやら、ケイトも気付いたようだが…
今の季節の暑い時期に、あまりにもおかしい格好だった。
その目が留まった、レオの走る先に居た人の内の一人は
黒いマントで身を隠しており
夏の折にはそれこそ珍しい格好だっただけに、いやに頭に焼き付いた。
それにレオは気付かぬまま
無邪気に笑ってはしゃぎながら
私たちへ向いたままずっと手を振り続けており、前を見ずに楽しそうに走っていた。
フエゴレオン「!!待てレオ!」
そう私が叫んだ直後、男は動いた。
ガタイもよく、筋肉質な腕が漆黒のマントから出て
その手にはナイフがあった。
レオを後ろから刺そうとすることから
敵だということは、誰の目にも明らかだった。
フエゴレオン「レオ!!!」
レオポルド「?」
血相を変えて決死の表情で叫ぶ私に
私たちの方を向いたままで状況が分からず、?を浮かべるレオに
凶刃が迫った。
だんっ!!
その直後、私の前に居たケイトが魔導書の強化魔法で飛び出し
光速移動で駆け付けた。
レオが右後ろを振り返る形で前に走り続けていた折
その左前から刺そうとする男性に対し、ケイトがレオを後ろから抱き締めた。
ぐさっ!!!
じゅうううう!!!!
ケイト「ぐあああああああ!!!!;」
ナイフを突き立てられた時
何かがケイトへ焼き付くような、生々しい音が響き
賑やかだった町に、突如として悲鳴が響き渡った。